けいそう土塗り壁について改めて解説。けいそう土は弱い!だから壁材には不向きと、ずっと言われていました。
けいそう土と検索すると、
バスマットや、キッチンアイテムなど水回り対策品が、
続々と出てきます。
ここ数年で、
一気に市民権を得たけいそう土ですが、
私たち日本人には、七輪として、
古くから身近にありました。
七輪は知っていても、
けいそう土で出来ていることを
知っている日本人は少なかったかと思いますが、
今では、けいそう土鍋、という名称まであり、
時代の変遷を感じます。
けいそう土って何?
こんにちは!軽井沢と上田市を中心に
天然木の家づくりをしているハピアデザイン
坂口賢一です。
石川県珠洲市の特産品は七輪。
七輪の原料はけいそう土。
石川県珠洲市は、
けいそう土の産地なのです。
最近は七輪を知らない方も増えてきているからか、
七輪をけいそう土鍋と
紹介しているサイトも発見しました。
今や七輪という単語よりも、
けいそう土の方が有名ってことですね。
けいそう土は、珪藻土と書きます。
ケイソウって書くと思い出す方がいるようですが、
植物プランクトンの1つで、
その死骸が堆積して化石化し、地層となっています。
ちょっと難しい漢字の理由は、
主成分がガラスと同じ二酸化珪素。
その「珪素」をとって珪藻土と呼ばれています。
1200万年前あたりの地層を掘り出して、
私たちは活用しているのです。
けいそう土は日本以外にもあり、
レンガや、胃腸薬として使われていた歴史があります。
胃腸薬?というと驚かれるかもしれませんが、
日本でも現在、
食品添加物として流通しているけいそう土もありますから、
薬として効果があるかどうかは定かではありませんが、
口にして害があるという素材ではないようです。
食品添加物として流通しているけいそう土は、
主に日本では、
飲料水のろ過材として日本では活用されていますから、
日本人の大半が、
けいそう土のお世話になっているのです。
けいそう土は弱いんです
七輪で焼き鳥や焼き肉をしたことがある方は、
思い出してみてください。
どこかが凹んだり、
削れたりしていますよね。
保温断熱効果が高く調理器具として重宝される七輪は、
衝撃に弱い。
それはつまり七輪の原料である、
けいそう土が弱いということになります。
七輪はけいそう土100%です。
けいそう土は柔らかいこともあり、
塗り壁として利用されることはなかったのですが、
高い調湿性能と自然素材が注目され、
塗り壁に姿を変えたのが20年ほど前。
当時のけいそう土塗り壁は、
柔らかく、ボロボロ崩れてしまうため、
なかなか広がっていきませんでした。
それでも結露などに悩む方に高く支持され、
徐々に広がり、
今ではけいそう土塗り壁も、
さまざまな商品を選べるようになっています。
けいそう土塗り壁の弱さを克服する工夫
けいそう土は、
単体では塗り壁にすることができません。
けいそう土の他に、
何を加えれば塗り壁になり、
何を加えればボロボロ崩れなくなるか、
何を加えれば調質性能が下がらないか、
などなど、
高い調湿性能を求める多くの方々の声が反映され、
各社の試行錯誤が繰り返されました。
糊で固めるとボロボロ崩れるが、
接着剤は崩れないけど調湿性能も損なわれる。
けいそう土の配合量だけでは、
調湿性能を判断することが難しくなり、
当社では、製品となった時点での
調湿性能に注目して、
けいそう土塗り壁を選定することにしています。
どんなにけいそう土の含有量が高くても、
品質の高いけいそう土を使用していても、
加工方法によって、
調湿性能が変わってきます。
けいそう土塗り壁に求めることが、
調湿性能であるのなら、
最終商品の段階で、判断することがベストだと考えました。
ボロボロ崩れず調質性能も期待できる けいそう土塗り壁
塗り壁に限らず、
建材は山のようにあります。
どの建材にもメリット/デメリットがあり、
100%メリットだけという建材は、ありません。
もしくはデメリットが自分には気になければ、
それはデメリットのない建材ということになります。
メリットが好みに合うことは重要ですが、
デメリットが受け入れられるかどうかも、
建材選びのポイントです。
初期の頃の
けいそう土塗り壁を採用された方は、
ボロボロ崩れる欠点を受け入れてでも、
調湿性能に期待した、
ということなのです。
結局、家づくり全体に言えること。
これって家づくり全体に言えることです。
構造を決める時も、
メリットばかりを注目してしまいますが、
それ以上にデメリットを受け入れられるか、
もしくは気にならないか…。
ここ、重要です。
家づくりの1つの参考にしてくださいね。
当社で標準的に採用しているけいそう土は、
珪藻土塗り壁はいから小町。
ボロボロしないこと、
調湿性能が高いことは当然として、
自然素材なのに、
施工性も悪くない。
昔は自然素材というと、
施工性に難があったりしましたが、
今は工夫しているから、
どんどん良くなっていて嬉しいですね。
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