フローリングで寝ると布団がカビるのは何故ですか?
睡眠って、大事ですよね。
6時間睡眠が1週間続くと、
1日徹夜したことと同じになるという記事を
読んだことがあります。
8時間睡眠が実現できている人は、多くない。
そんな印象を持つ日本の暮らしですが、
だからこそ睡眠環境は重要になります。
良質な睡眠ができれば、
多少の睡眠不足もクリアできると言われています。
睡眠の質にも影響がある寝具とカビの関係について、
今日はお伝えしますね。
フローリングで寝るとなぜ布団がカビるのか?
こんにちは!軽井沢と上田市を中心に
天然木の家づくりをしているハピアデザイン
坂口賢一です。
布団がカビるという質問を、
久しぶりにいただきました。
この質問が減っているのは、
ベッド派が増えているからだろうなぁ、
と漠然と思っているのですが、
ご質問いただいた方は、
家族全員で布団をご愛用。
フローリングの部屋の家族だけ、
布団がカビる現象から、
畳が汗を吸い取ってくれていることにたどり着き、
畳の凄さを知り、
益々、畳のファンになったと熱く語って下さいました。
畳って、
日本の気候風土、日本の暮らしにピッタリな床材なんですよね。
住まいは洋風化しても、
暮らしが日本風だと、
時々ミスマッチが起こります。
これがフローリングと布団にも当てはまり、
布団がカビるという現象に繋がっているのですが、
まずは畳の部屋だとカビない理由から考えていきましょう。
畳の部屋で布団がカビない理由
人は寝ている間に、
コップ一杯分の汗をかくと言われています。
真夏だと2杯ぐらいになるのかなぁ。
その当たりは詳しく調べていませんが、
パジャマが汗でビッショリ!となっていなくても、
最低でもコップ1杯の汗が、
睡眠中に出ているのです。
その汗をパジャマや布団が、
吸い取ってくれているから、
日本人は布団を干して、
お日様に乾かしてもらっていました。
それでも高温多湿の時期は、
乾燥にも時間がかかり、
カラっと乾かすことが難しくなりますが、
畳は、ちょっと残った水分を、
吸い取ることができるので、
和室だと布団がカビ難いのです。
畳は調湿性能が高い、
日本の気候風土にあった優れた床材なのです。
フローリングの部屋で布団がカビる理由
フローリングに調湿効果はありません。
そのため布団に残った汗が、
布団から消えることなく、
ずっと布団に水分が存在するため、
カビを発生させてしまうのです。
でも実は、
調湿効果のあるフローリングもあるのです。
この50年で、
調湿効果のないフローリングが、
日本の家づくりの中心になっているだけだということは、
あまり知られていないですよね。
汗を吸わない畳もあります
最近人気の洗える畳は、
汗を吸い取ってくれません。
昔ながらの畳は、
草でできているので洗うことができませんが、
乾燥した草が布団に残った汗を吸ってくれるので、
布団がカビることがないのです。
先日質問をいただいた方の現在のお住まいは、
古い家ということなので、
昔ながらの畳が使われていたため、
フローリングとの違いを、
理解されていましたが、
畳が変わっていることや、
本来の畳について知識がないと、
期待した調湿効果が得られない可能性もあるのです。
なぜ畳が汗を吸ってくれるのか
畳は、イグサという草と、
稲ワラという稲を収穫した後に残る
茎の部分を使って作られています。
イグサも稲ワラも乾燥されているので、
水分を吸ってくれます。
乾燥わかめ、みたなイメージです。
なぜフローリングが汗を吸わないのか
フローリングが汗を吸わない一番大きな理由はコーティングです。
着色やキズ防止などの目的で、
フローリングはコーティングをされています。
コーティングには様々な種類がありますが、
日本で人気のコーティングは、
キズや汚れが付き難く、
掃除しなくても、ずっと綺麗が続くタイプです。
このコーティングには調湿効果がないので、
汗を吸い取ってくれないのです。
汗を吸ってくれるフローリングとは?
膜をつくるコーティングがされていないフローリングは
汗を吸ってくれます。
無塗装・自然塗装・オイルステイン仕上げ、オイルフィニッシュなどで表現されていて、
主に無垢フローリングという種類になりますが、
無垢フローリングでも、
膜をつくるコーティングを
されている商品があるから混乱しますよね。
無塗装とは、
その名称の通り、塗装をしていない、
木材そのままのフローリング。
自然塗装とオイルステイン仕上げ、オイルフィニッシュは、
ミツロウや亜麻仁油などを主成分とした、
木材の中に染み込むような塗装をされたフローリング。
どちらも膜を作らないから、
調湿効果が期待できるので、
和室同様、布団がカビることはないのです。
この違い、実はプロでも知らない方が多いんです。
プロが知らないのだから、
提案も、説明もできないから広まっていきにくいのです。
フローリング選びの新基準、その床は汗を吸い取りますか?
フローリングを選ぶ時、
インテリアコーディネーターさんが、
イメージ通りのお住まいには、
このフローリングがいいですね。
価格も予算内に収まります。
こんな風に提案をしてくれますが、
汗が吸い取るかどうかという基準は入っていません。
高気密高断熱で、
湿度コントロールされているから、
そんな基準は不要、という考え方もあります。
でも人が生活するだけで、
水分を出し続け、歩くだけで、
足の裏にある皮脂を床につけ続けます。
水分を機械でコントロールしたり、
汚れ難いコーティングをされた
フローリングで対応する方法の他にもあることを、
頭の片隅に置いておいてほしいなぁ、と思うんです。
無塗装や、自然塗装、
オイルステイン仕上げ、オイルフィニッシュは、
皮脂をフローリングが吸い込み、
それが結果的にワックス代わりになります。
床が調湿してくれれば、
機械の負荷も小さくなり、
より長く使うことができるようになります。
それに異常気象を考えると、
1つに頼り過ぎない方が、
気持ちに余裕をもって暮らせる気がします。
ハピアデザインでは、
無垢フローリングを標準仕様にしています。
無垢フローリングは気持よくて、
とにかく丈夫で長持ち。
無垢フローリングが劣化したから張り替えて欲しいという相談は、
一度も受けたことがないのです。
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